トピックス   梓澤和幸


 ミスター・チムニー 天空百三十尺の男


  1930年。
  満州事変の発端となる謀略 柳条湖事件が起こる前の年だった。川崎の冨士瓦斯紡績の女工さんたちの争議が起こった。

  大煙突によじ登って籠城した男がいた。下では1万人の観衆が喝采を送った。暗黒の時代の、それは人々の示威でもあった。 このまま煙突に男を登らせておくと、天皇が乗るお召し列車を見下ろさせることになる……。あわてた経営者と警察の計算で、女工たちの争議は勝利に導かれた。

  だが、2年半の後、男は近くの川から遺体で発見された。首には絞殺の跡があった。
  それはプロレタリア作家小林多喜二が、東京築地警察署で虐殺された6日前のことだった。

  この物語を川崎の地域劇団が上演する。
  “ミスター・チムニー! 天空百三十尺の男”の公演だ。


    5月17日(土) 2時・7時、18日(日) 2時
      東京シアターX (カイ)
    6月7日(土) 2時・6時
      茅ヶ崎市民文化会館小ホール

  おすすめの芝居だ。
  戦争とワーキングプアと自由の抑圧が一つとなる、今に重なる時代のことを考えさせる芝居だ。


   問い合わせ・申し込みは:京浜協同劇団
   TEL 044-511-4951 FAX 044-533-6694
   E-mail keihinkyoudougekidan@nifty.com