トピックス   梓澤和幸

春にむかって

  冬が厳しいほど春を迎える気持は弾みます。そのような意味を込めて、カタイお話を一席。
  安倍首相は総選挙で「憲法を改正して国防軍を」と叫びました。どのようになるのか。昨年四月の自民党改憲草案をみてみます。
  四つのポイントがあります。
  第一に戦力を放棄した九条二項を変え、国防軍を保持、国防軍審判所(軍事裁判所)を設けいるとしています。 戦後、全く戦争に参加しなかった日本が、アメリカとの共同作戦に参加させられます。 第二に、天皇を元首とし、君が代、日の丸を尊重することを国民の義務としています。思想・良心の自由を弱めます。 第三に公益、公共の秩序を害する目的の結社を禁止しています。公益、公共とはあいまいな表現です。 そのため、どのような団体が禁止されるかはっきりせず、公権力が恣意的に政党や団体の活動を禁止する恐れが少なくありません。
  第四に緊急事態宣言の規定があります。戦争、災害、原発事故の場合、政府はこの宣言を出すことができ、 その場合に国民は、国その他の機関の指示に従わなければなりません。
  表現、報道、集会が大幅に制限され、軍の都合などでの収用も行われる恐れがあります。
  改憲草案は、現代の治安維持法。子育て世代、孫たちとこの冬を越えていく希望を語り合いたいものです。

年金者組合 国分寺支部 婦人部通信に掲載 2012.1