3月23日、浅草西光院という、私の家の菩提寺に墓参した。東本願寺の近くである。
私たち兄弟を慈しんで育ててくれた父、母の眠る墓である。
1945年3月10日の空襲で灼かれた痕が墓石に残る。
お寺のご住職が、庫裏に次の法然上人の言葉を大書していた。
「遺恨を結ばば、その仇世々に尽き難かるべし」 (法然上人父上・漆間時国公ご遺訓)。
恨みは次の恨みを生み、武力による報復は次々と報復を呼ぶに違いない」。
そして、 「戦争反対」 という字が大きく掲げてあった。
僕は、自身に思った。もっと自然に、もっと普通に、家族や親友の苦境を思うように、
殺されている一つ一つの命のことを考え、行動しようと。
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