朝鮮半島〜核をめぐる危機〜    梓澤和幸


●目次
38度線からの米軍後退は先制攻撃の予兆だ!
最近ある集まりで発言したことの要旨
朝鮮半島の核危機について
朝鮮半島核問題の理解と解決策の模索
平和と人権のための日韓法律家広島宣言



平和と人権のための日韓法律家広島宣言 (2003年4月24日)

  現在、イラクでは戦争が勃発し、罪のない多くの民衆が命を落としており、朝鮮半島をとりまく東北アジアでは北朝鮮問題をめぐって緊張が高まっている。
  こうした中で、我々日韓の法律家たちは世界の平和と人権を希求し、ここ平和都市広島に集まった。法律家たちの良心と職業的な使命は、昨今の危機的世界情勢に対して明確な立場を表明することを要求している。我々は、次のような共通の立場を確認し、ここ広島から日本と韓国、そして世界の良心に訴えるものである。

1.今回の米英によるイラク戦争は、国際法に明確に違反する侵略戦争である。米英は戦争を即時停止し、イラク領土から撤退しなければならない。
2.韓国と日本政府が、イラク戦争を支持し、韓国が軍隊を派遣しようとしていることは誤りであり、直ちに撤回しなければならない。
3.北朝鮮問題をとりまく朝鮮半島の緊張状態は、どのような場合にも平和的方法で解決されねばならず、いかなる武力行使にも断個として反対する。
4.北朝鮮とアメリカは、1994年のジュネーブ合意によって早急に関係を正常化し、北朝鮮は1992年の非核化南北共同宣言の精神によってNPT (核拡散防止条約) に復帰しなければならない。
5.拉致問題などに乗じて行われている在日コリアンに対する民族差別と迫害を深く憂慮し、日本政府は大学入試受験資格付与問題などにおける各種差別政策を廃止しなければならない。
6.我々日韓の法律家たちは、両国に存在する反人権的状態と反平和的動きを憂慮し、法律家の良心と使命で人権と平和を増進させるために共にたたかうことを誓う。

                          2003年3月29日
                          日韓法律家交流会参加者一同