東京経済大学講義レジュメ 梓澤和幸


今年度の冬学期より東京経済大学にて講義を担当することとなりました。
以下、講義にて使用したレジュメを掲載いたしますので、是非ご参照下さい!

〈目次〉
1 弁護士って何だろう?―弁護人依頼権 (2004年10月25日)
2 ポリストライアルをどう防ぐか?―弁護人依頼権 (続) (2004年11月08日)
3 憲法はなぜ人権を保障するのか?―立憲主義 (2004年11月22日)
4 表現の自由の歴史と現在 (2004年11月29日)
5 在日外国人 (2004年12月13日)




弁護士って何だろう?―弁護人依頼権 (2004年10月25日)

1.弁護士はどれくらいいるか知っていますか?
  弁護士に会ったことがありますか?
  弁護士は全国に18,000人いる

2.刑事事件における弁護士の役割
  逮捕されたとき、逮捕されそうなとき
  弁護人依頼権は、憲法 (34条) と国際人権規約 (自由権規約14条3項d) に定められている

3.法律で定められていること
  (1)身柄を拘束されたときには弁護人を依頼できる (費用保障はなし)
  (2)起訴されたときは (資力がないときは) 国選弁護人を依頼できる (費用保障あり)
     憲法37条第3項

4.身柄拘束から起訴までは弁護士を公費で頼むことは現在では保障されていない
  立法準備中

5.当番弁護士制度→今日の要点
  実際にあなたや知人が身柄拘束されたときは、弁護士会を特定し
  (例えば、東京弁護士会とか埼玉弁護士会とか) 当番弁護士を派遣してほしい、と告げる。

6.松本サリン事件と弁護士の果たした役割
  (1)松本サリン事件
     1994年6月27日夜松本市で発生。
     オウム真理教の信徒が散布した毒ガス、サリンによって死者7名、重軽傷者140名に及んだ。
  (3)弁護士選任
     「一緒に心中するような気持ちで受任」 永田恒治弁護士
  (4)弁護士の方針
     一つ一つメディアを崩していく
  (5)7月30日、31日の取調べの模様
     →今年長野県起こった、高齢者殺人の遺族に対する取調べとよく似ている
      イ 犯人と決め付けている
      ロ そのように供述させる
      ハ ポリグラフ (嘘発見器) の使用
  (6)科学の力
  (7)見方になるメディア
     1994年1月1日、読売新聞のスクープ
     オウム真理教の教団施設のある山梨県上九一色村でサリンの副生成物発見
  (8)1994年3月31日
     地下鉄サリン事件発生
  (9)1994年5月 メディアが謝罪
     1994年7月 国家公安委員会が謝罪
7.まとめ
  イ 永田弁護士とメディア
  ロ 河野さんという人間の力
  ハ もう一度、裁判の復習

※11月13日の講演会に関するレポート提出希望者は、11月29日(月) 学務課に提出のこと
  字数制限:800字以内